2018/02/22

よりよいキャリア形成にも繋がる 「ネガティブな経験」を意味づけする力

こんにちは。キャリアコンサルタントの田中 道博です。

連日放送される「平昌オリンピック」のニュースに興味を持つ方も少なくないかと思います。国を問わず真剣勝負の世界は心が躍ります。オリンピック好きの私は、毎日手に汗握りながら観戦しています。

オリンピックメダリストでさえも、順風満帆ではない

メダリストの方々の「キャリア」を見させていただくと、その多くが順風満帆な足跡を歩んできたのではないことがわかります。

例を挙げると、男子フィギュアスケートで66年ぶりに2大会連続の金メダルを獲得した羽生 結弦選手。昨年の11月に大けがをして以来、大会に出場することはもちろん、直前までリンクの上で練習することもできませんでした。シニアデビューした年に東日本大震災が発生し、仙台で被災されたことも、皆さんご存知だと思います。

日本女子スピードスケート史上初の金メダリストとなった小平 奈緒選手も、前回のソチオリンピックでは期待されながらメダルを獲得することができず、悔しい思いを抱えて4年を過ごしたそうです。大会直前、ともに練習し戦ってきた仲間の死という壮絶な経験に向き合うことにもなりました。

それぞれの競技が終わった今、過去の「ネガティブ」な経験を振り返ってみると、どのように見えるでしょうか。

もちろん、仲間の死のように簡単には乗り越えられない悲しみはあるでしょう。しかし、それ以外の経験はもしかすると、いや、高い確率で、「あの経験があったからこそ今がある」と実感しているのではないでしょうか。そして、自身の成長を味わっていると思います。

人の「心の機能」には、どのようなネガティブな経験をも意味づけし、成長に結びつける力が潜んでいるのです。小平選手も時が経てば、きっと仲間の死も感謝の気持ちに変化したり、ともに過ごした日があったからこそと思ったり…と、経験を受け入れていけるものだと思います。

「ネガティブな経験」も「物語」を作る

考えてみると、人生ではたびたび受け入れがたい経験に遭遇します。すべてが上手くいく人生などありえません。転職のご相談に来られる方も、同様ではないかと思います。

転職を考えるに際しての事情は様々です。

いわゆるリストラなどポジティブとは言えない経験の末に転職を余儀なくされた人も、更なるキャリアアップを目指して転職を考えている人も、共通しているのは、どなたも「よりよい」人生を送りたいということです。

「よりよい人生を送りたい」と思うことは、根源的な人の「心の機能」でもあります。どのような人も潜在的に「成長への希求」を持つ存在なのです。

キャリアカウンセリングの理論家で「キャリア構築理論」を提唱しているマーク・L・サビカス博士は、自分自身がキャリア開発の世界に進んだ背景をこのように振り返っています。

"私の父の話をしますと、彼は片足が短く不自由だったため、就職にはとても苦労しました。幼い頃の私は困惑しました。なぜ世間は彼を雇おうとしないのかと。"

「困惑」の中で幼少を過ごした彼は、さまざまなネガティブな経験を積み重ねてきたのではないかと推察されます。残念な思い、悔しい思い、惨めな思い…。それが故にキャリア開発の研究者としての道を志し、そして名をなしたとも言えるのかもしれません。そして今や全米を代表する理論家であり、大御所といわれる存在になっているのです。

人にはそれぞれの「物語」があります。そして、その「物語」は、前述した誰もが持っている「心の機能」により、ポジティブに意味づけされうるものといえます。

かのアルフレッド・アドラーも、身体的コンプレックスから自らを見つめ、そのことを研究対象としました。また、実存主義の代表的人物であるロロ・メイも、当時は不治の病といわれた結核に罹患し、「不安」の研究を始めたと言われています。

ロロ・メイが影響を受けたセーレン・キルケゴールは「不安は自由のめまいである」と言っています。自由を求めるがゆえに、人は不安という感覚を持つに至る。自由を目指すがゆえに不安が生まれるというのです。

仕事における「ネガティブな経験」を整理するためにできること

少々難しい話になりましたが、「転職」を軸に上記について考えてみますと、仕事においてネガティブな経験に支配されているときには、今一歩立ち止まって熟考することが必要だとも言えます。

障害を乗り越えて仕事を続けることで築かれるものも少なくありません。「あの経験があったから」と振り返り、辞めずに頑張ってきてよかったと思う可能性は大いにあります。

とはいえ、何らかのネガティブな経験や感情に支配されているときほど、冷静に考えることができず、その経験に向き合うことが難しくなるものです。

そのようなときは、一人で抱え込まず、誰かに話をしてみるのもよいでしょう。話をすることで、すこし客観的になれることもあります。

身近な人に話すことが難しいときには、キャリアコンサルタントに相談してみるのもよいでしょう。キャリアコンサルタントは、これまでのあなたの経験・キャリアを棚卸しし、あなたの強みも確認し、これからのキャリアに向き合うためにお役に立てる存在です。

「転職」が頭に浮かんだとき、以上のようなことを思い起こしていただけましたら幸いです。

この記事を書いた人

田中 道博

コラム執筆担当

キャリアコンサルタントとしての活動に加え、社会保険労務士としての立場からも働く人をサポート。最近は、キャリアコンサルタント育成にも力を注いでいる。

【主な資格】
国家資格キャリアコンサルタント
1級キャリアコンサルティング技能士(国家資格)
JCDA認定 CDA(キャリア・デベロップメント・アドバイザー)
社会保険労務士

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